弁護事件例

2016.06.17 【殺人】殺人未遂

殺人未遂で逮捕されて傷害罪として起訴された事例

執行猶予
捜査弁護
否認

事案の紹介

会社の上司から口うるさく怒られストレスが溜まっていた依頼人が,業務時間中に金槌で後頭部と複数回殴打して傷害を負わせた

弁護活動

 依頼者は日頃から厳しいノルマを上司から課されたり,サービス残業を強いられる中ストレスが溜まり自殺まで思い悩むようになってしまいました。
 耐えられなくなって,相手に怪我をさせて会社に来ないようにできれば解決するのではないかと考えてしまい,自宅から金槌を持ちだし事件に及んでしまいました。
 すぐに通報され殺人未遂で現行犯逮捕されました。被害者には全治2週間の怪我を尾鷲ました。
 依頼人の話では殺すつもりは全くなく,怪我をさせるつもりだったということでした。
 殺人未遂で逮捕されても,殺意がないということになれば傷害罪になります。
 今回の事件では,逮捕されて最初の検事の取調べで,殺してもしょうがないという記載のある調書に署名してしまっていました。
 このように殺人未遂で逮捕した警察や検察官は,被疑者に対して殺意があったことを認めさせようと取調べを行います。本人がそうではないと否定しても簡単には聞いてくれません。時に脅迫的に,時に誘導的に取調べを行い不当な供述調書を作成しようとします。
 今回の事件では,その後に弁護人として選任され,それまでに行われた不当な取調べに対し抗議しました。
 結果,殺人未遂ではなく傷害罪で起訴されました。
 公判はその後執行猶予判決となっています。