弁護事件例

2024.02.01 【強盗・恐喝】強盗・強制性交等(致死)

強盗・強制性交等被告事件で、重すぎる懲役刑を避けることができた事例

減刑
裁判員
証拠収集

事案の紹介

被害者の自宅に侵入して性行為に及び、現金等を奪ったという事件等の強盗・強制性交等被告事件の裁判員裁判において、ポイントを絞った弁護活動の結果、検察官からの求刑からの一定の減刑を得た。

弁護活動

私選弁護人として受任した事件です。

依頼者は、事件内容を争っておらず、裁判では情状のみが問題となりました。
弁護人は、まず、前科・前歴のない依頼者の人柄や、依頼者が事件に至った経緯について、冒頭陳述や被告人質問を通じて、裁判員に適切に理解してもらうよう務めました。また、性犯罪治療の専門家に証言を依頼し、依頼者の特性、今後の治療を継続した場合の効果などについて立証しました。その上で、最終弁論では、行為責任論を基本とし、性犯罪による悪印象から、依頼者に過度の量刑が科されることのないよう、同種事案との比較や再犯可能性の低さという観点から適切な量刑について論じました。
その結果、依頼者に対する量刑は、検察官の求刑から2年の減刑となりました。
検察官の求刑が2年程度減刑されることは決して珍しくはなく、通常の事案では一般的かもしれません。しかし、性犯罪事件については、裁判員裁判によって重罰化の傾向が一般的に見られ、求刑に近い量刑が科されることも珍しくありません。
この事案では、量刑理論を踏まえ、ポイントを絞った適切な弁護活動を行うことにより過度に重い量刑を避けるという目的を達成することができました。