弁護事件例

2016.06.26 【詐欺・脅迫】詐欺

オレオレ詐欺の「受け子」役を引き受けたと疑われ、再逮捕が繰り返されたが、一貫して否認し、いずれも不起訴となった詐欺事件

不起訴
捜査弁護
否認
釈放

事案の紹介

オレオレ詐欺の現金受取役(受け子)を頼まれて被害者宅に行ったが、事情を知らず、詐欺の認識を持っていなかったという事例。捜査機関は、別の日に発生した同種事件(いずれも未遂)について、依頼者の再逮捕・勾留を繰り返した。

弁護活動

担当弁護士は、国選弁護人として受任しました。

依頼者は、知人から仕事を紹介するなどと言われて地方から上京し、指示に従って、被害者宅にから向かいました。そして、被害者から現金を受領したところを、待機していた捜査員に現行犯逮捕されました。依頼者は、物を受け取る仕事だという説明はされていましたが、オレオレ詐欺事件に関わっているという認識はありませんでした。弁護人は、依頼者に対し、取調では、署名・押印には一切応じないよう指示しました。

捜査機関は、最初に逮捕した事件の勾留期間が経過した後、それ以前に発生していた別のオレオレ詐欺事件(いずれも現金を受け取ることに失敗して未遂となっていたもの)にも、依頼者が関わっていたとして、再逮捕・再勾留を繰り返し裁判所に請求しました。
弁護人は、最初に逮捕した事件の取調を行う目的で不当に「蒸し返し」を行っている違法な再逮捕であるとして、裁判所に準抗告の申立を行いましたが、裁判所はこの申立を認めませんでした。
弁護人は、2ヶ月に及ぶ勾留期間中に頻繁な接見を続け、依頼者が否認の主張を維持することをサポートし続けました。

その結果、依頼者は、いずれの事件についても不起訴となり、釈放されました。