弁護事件例

2016.06.17 【身体拘束からの解放】保釈

携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律違反で起訴されたが執行猶予となった事例

執行猶予
捜査弁護
保釈

事案の紹介

A社で,中心的業務に関わっていた被告人が,A社の業務に関連して他人名義の携帯電話を不正に入手し,スパムメールを送る等の行為に加担された容疑で起訴されたものの,起訴後に保釈を得て,執行猶予付き判決となった事案
なお,他の共犯者は,特定電子メールの送信の適正化等に関する法律違反で起訴された者もいる。

弁護活動

A社の代表者を弁護する弁護人を通じて私選で依頼を受けた事件です。

A社の業務内容は,様々なものがありましたが,今回,起訴されたとなった行為は,出会い系サイト運営やスパムメールを送信する際に使用するための他人名義の携帯電話を不正に入手した点がまず立件されたものです。

A社は,代表者を含め主要な人物が全員逮捕されましたので,それぞれの弁護人間で情報交換を行いながら事件処理を行いました。
報道等の情報によると,捜査側は,法定刑の重い(組織的)詐欺での立件を考えていたようですが,事件に無関係なことを黙秘するなどした結果,(組織的)詐欺での立件はなく,見送られました。
黙秘した当初,警察官が,「反省していないの」「弁護士なんて何もしてくれないよ」「この調書作るのに時間かかっているのに馬鹿にしてんの」「サインしないなら先に言えよ」「じゃあ黙秘なの」などと不相当な取調べを行ったため,監督対象行為に該当すると苦情申立てをしたところ,そのような取調べが行われることはなくなりました。

依頼者は,詐欺等で起訴されましたが,保釈を得ることができました。
また,いくつかの余罪について疑われていましたが,起訴されませんでした。
検察官は,保釈申請に保釈に反対し,「実刑も予想される事件」で「罪証隠滅のおそれも高い」などと主張しましたが,保釈審理の際には,その意見は考慮されませんでした。

その後,判決は,執行猶予付の判決(懲役1年6月・罰金100万円)で,一審で確定しました。