弁護事件例

2016.06.17 【暴行・傷害】傷害

学校内で、ほかの少年らとともに被害少年に殴る蹴るの暴行を加えて全治不能の傷害を負わせた傷害事件において、保護観察の処分を獲得した事例

少年

事案の紹介

 依頼人は少年で、他の少年らとともに被害少年に殴るけるの暴行を加え、歯を折るなどのけがを負わせた事件でした。けがの重さは、前歯が歯が折れてしまったことから全治不能と診断されていました。

弁護活動

 依頼人が逮捕され、勾留されたのちに、国選弁護人として受任しました。
 事件を起こしたことは間違いないとのことでした。この事件は少年事件であったため、勾留10日目に依頼人は家庭裁判所に送致されました。
 少年事件は、少年を少年院に送致するかどうか等の処分は、少年の更生のために少年院などに収容して保護する必要があるかどうかという点が重要になります。少年が必要以上に悪質に見られ、不必要に少年院に送られるようなことは避ける必要があります。そこで、付添人(少年事件にいう弁護人の立場)として、依頼人の少年の自宅に赴き、ご家族とお話をしました。ご家族とお話をすると、依頼人の少年が普段はまじめに働いていたこと、ご家族もそれをサポートしていたことが窺われました。少年の勤務先にも連絡し、お話を聞きました。それらを資料化し、家庭裁判所の調査官と面談を行いました。
 家庭裁判所の審判では、裁判官は、少年院送致の処分も十分にありうる事件だ、と前置きしつつ、依頼人の少年を保護観察の処分としました。