弁護事件例

2016.06.17 【殺人】殺人

殺人で起訴され傷害致死の認定となり執行猶予判決となった事例

一部無罪
執行猶予
裁判員
否認

事案の紹介

 精神障がいを患う被害者から襲われた被告人が脅す目的で刃物を持ち出してしまったところ,被害者に刺さり死なせてしまった

弁護活動

 依頼人は80歳を超える高齢の母親でした。被害者である娘は精神障がいを患い,日頃からおかしな言動に出ることがありました。
 事件の日,被害者が依頼人を罵倒し殴ってくるような姿勢を見せたため,脅す目的で果物ナイフを手に取りました。被害者がそれを奪い取ろうともみ合いになり,気付いたらナイフがクビに刺さってしまいました。
 すぐに119番通報してかけつけた警察官にそのまま現行犯逮捕され,殺人のまま起訴され裁判員裁判となりました。
 検察官は,意図的に刺したと主張し,弁護側は刺したのではなく刺さってしまっただけだと主張し,また正当防衛の主張もしました。
 裁判では,救急隊員や法医学者などの尋問が行われました。
 結果は,検察官の意図的に刺したという主張を否定し,刺さってしまった疑いが残るというもので,殺意はなく傷害致死罪の認定となりました。
 また,突発的であることや日頃の被害者に対する態度などが考慮され執行猶予判決となりました。