弁護事件例

2016.06.17 【】

1500万円の恐喝被告事件で起訴されたが執行猶予となった事例

減刑
執行猶予
保釈
示談

事案の紹介

いわゆる美人局の事件。男性2名と女性1名と共謀し,被害者と女性が性的関係を持った後に,男性2名が被害者に金銭を要求し,1500万円を喝取し,さらに多額の金員を要求した時点で逮捕された事件。

弁護活動

当番弁護で接見し,その後,私選で受任した恐喝事件です。

依頼者は,女性で,被害者とデートをしたり,性的交渉をもつ役割を担っていました。
詳しい話は犯行を計画した男性の共犯者から聴いていませんでしたが,恐喝することは聴いており,被害者から取得した1500万円のうち,200万円を報酬として受領していました。

1500万円の恐喝については争いがなく,執行猶予付き判決を得ることが獲得目標となります。この事案では,①男性2名が計画等を建てており,依頼者の役割は低いことを裁判官に理解してもらうこと,及び②可能な限り被害弁償して被害者からも許してもらうことを目指す弁護活動を行いました。

依頼者は,それまでしていた仕事で貯金がありましたので,そのほぼ全額である200万円を被害弁償しました。実際に依頼者が受け取っていた被害額が200万円であったことや,恐喝自体は,他の男性の共犯者がしていたことから,被害者と示談をすることができました。

依頼者の親族から保釈金を借りて,保釈を得ることもできました。

検察官は,被害額が1500万円と比較的高額であり,全部の弁償がなされていないことから,懲役3年の実刑が相当だという求刑をしましたが,判決では,事件への関与
の度合いが他の共犯者と比較して乏しいことと一部とはいえ,自分の得た全額を弁償したことを重視して,懲役2年6月・執行猶予4年という判決でした。