事案の紹介
共犯者６名が強盗を共謀し，被害者２名を監禁し，暴行を加えて財布を奪ったとして起訴され裁判員裁判が行われた
弁護活動
検察官は，最初からお金を要求されていたという被害者らの証言を根拠に強盗を計画していたとして事前共謀を主張していました。
これに対して依頼人は強盗の故意と共謀を争い，傷害罪のみ成立すると主張していました。
公判では共犯者ら複数名の証人尋問を行い，結果裁判所は検察官の事前に共謀していたとの主張を排斥しました。
事前の共謀が否定されたことから，負傷結果と強盗目的の暴行との因果関係が不明として、一人の被害者については、強盗致傷ではなく，強盗，傷害という認定になりました（これは罪名落ちといって起訴された犯罪は成立しないけれども別の小さな犯罪が成立するというものです）。
判決は、懲役６年でした。
すでに判決が言い渡されていた共犯者２名については、事前の共謀が認定されていましたので異なる事実認定を勝ち取ったという意味では珍しい事件でした。