弁護事件例

2016.05.16 【交通犯罪】過失運転致死

裁判の途中で、危険運転致死から自動車運転過失致死に罪名が変わり、禁固2年となった事例。

事案の紹介

タクシー運転手である依頼者が、業務での運転中、赤信号で交差点に侵入し、対向車と衝突し、対向車の運転手である被害者が亡くなった事件。起訴された時点では、危険運転致死という罪名でしたが、途中で検察官が罪名を自動車運転過失致死に訴因変更しました。

弁護活動

当初起訴された危険運転致死という罪名の時点では、弁護人としては、危険運転致死ではなく自動車運転過失致死にとどまるという主張をしました。
主張を裏付けるため、検察官から開示された証拠の検討のほか、実際の事故現場で弁護人独自の実況見分をするなどし、主張を裏付ける証拠を集めました。
公判前整理手続を通じて、争点や証拠の整理がなされていき、裁判の日程が近くなった時点で、検察官は自動車運転過失致死に罪名を変更しました。
そのため、当初は、裁判員裁判の対象でしたが、裁判員裁判ではなくなりました。
なお、その後も、赤信号で交差点に進入した理由について、検察官は、不注意で見落としたと主張したのに対し、弁護人は、一時的に意識を失った(居眠り)ことによるものだったとの主張をしており、その点は、争点となりました。
判決は、不注意で見落とした、との認定とはなりましたが、求刑が禁固3年6月であったのに対し、禁固2年となりました。