弁護事件例

2026.09.07 【企業経済犯罪】贈収賄

収賄被告事件において、収賄の客観的事実がなく、また収賄の故意もないとして無罪とされた事例

無罪

事案の紹介

依頼者はみなし公務員にあたる医師であり、医療機器メーカーから、自社の医療機器をより多く使用するなどの有利かつ便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼等の趣旨で金銭の供与を受けた、との収賄の嫌疑をかけられ、起訴されました。依頼者とメーカーとの間では、医療機器に関する市販後成績調査に関する契約が締結されており、依頼者は、実際にその調査を行った上でその謝礼として金銭を受け取ったと主張しました。検察官は、この契約は見せかけのもので、実態は賄賂であると主張していました。

弁護活動

捜査段階から弁護人として活動し、2年以上にわたり弁護活動を行いました。市販後調査が実際に行われていたことを示すために、病院の関係者だけでなく当該医療機器の専門家などの意見を聴取し、証人として尋問しました。それにより、医師が行っていた調査や成果物が医学的にも意味があること、及び、これを実態がないものとする検察官の主張には無理があることを示そうとしました。またメーカー側の担当者の証人尋問も行い、尋問において、メーカー側が当初は調査をするつもりがあったこと、途中から調査をするつもりを失い賄賂のためだけに活動していたところ、そのような内心の変化を依頼者には告げていなかったこと等を明らかにしました。多数の証人の尋問を行った上で、裁判所は弁護人の主張を全面的に採用し、無罪判決を下しました。検察官は控訴せず、無罪判決は確定しました。