事案の紹介
依頼者は、過去の交通事故により脳に損傷が残ったために器質性人格障害の状態であり、自身の行動を制御する能力に低下が見られるとの鑑定結果があったため、その点を根拠として公判では弁護人から心神耗弱の主張を行いました。
弁護活動
国選弁護人として起訴後に受任した事件です。捜査段階で依頼者の精神鑑定が実施されており、その結果、過去の交通事故に起因する脳の損傷から知能の低下などがあり、器質性人格障害の診断がされ、行動を制御する能力も低下しているとの指摘が精神科医からされていました。また、事案としても、親しい友人に大した理由もなくひどい暴行を加えたという事案の内容であり、通常の本人の人となりとは異なる異常性が認められました。そこで、弁護人においては、本件犯行が行動制御能力の著しい減退の結果として起きたものであるとして、心神耗弱の主張をするとの方針を取りました。公判前整理手続の段階で精神鑑定を実施した医師と面会を重ね、反対尋問での獲得目標を明確化した上で、公判に臨みました。公判では、弁護人が予定した証言内容を精神科医から獲得することができましたが、最終的に心神耗弱の主張までは認められず、懲役7年の判決となりました。