弁護事件例

2023.02.20 【窃盗・横領】窃盗

自動車を盗もうとした(窃盗未遂被疑事件)として逮捕・勾留されたが、釈放され、不起訴処分となった事例

準抗告
不起訴
捜査弁護

事案の紹介

依頼者(80代、男性)は、駐車していた乗用車を盗もうとしたとの被疑事実で逮捕・勾留されました。依頼者は、そもそも事件当日の自身の行動についても正確に記憶しておらず、被疑事実について否認し、身に覚えがないと説明をしていました。

弁護活動

弁護人は、逮捕翌日に、当番弁護士として依頼者と接見しましたが、その際、被疑者が認知症に罹患していることを疑いました。被疑者からは、家族の連絡先等も正確に聴取することができなかったことから、弁護人は担当警察官を通じて、妻の連絡先を確認し、面会を実施しました。妻との面会により、やはり依頼者には認知症の診断歴があることや、事件の直近にも徘徊などの認知症やその周辺症状とみられる行動が頻発していたことが確認できました。
依頼者にはその後勾留決定がなされましたが、弁護人は、勾留決定の取り消しを求める準抗告を申し立てました。準抗告においては、依頼者の妻から提供を受けた医療関係資料等を添付して、身体拘束の必要性が乏しいこと及びむしろ長期の身体拘束が依頼者の認知症の症状を悪化させる危険性があること等を丁寧に説明しました。
その結果、裁判所は、弁護人の準抗告を認め、勾留決定を取り消しました。その後、検察官は、本件について正式に不起訴処分としました。