弁護事件例

2021.03.19 【強制わいせつ・痴漢】痴漢(迷惑防止条例違反)

「痴漢行為をしたとの嫌疑をかけられたが,無罪判決となった事案(迷惑防止条例違反)」

無罪
否認
釈放

事案の紹介

電車内で、依頼者が、女子高校生の陰部を着衣の上から手で触ったとの疑いをかけられた事件。

弁護活動

担当弁護士は、私選弁護人として受任しました。

駅での現行犯逮捕直後に依頼を受け,直ちに,検察官及び裁判所に対して勾留を行わないよう求める意見書を提出しました。その結果、検察官の勾留請求は却下され、依頼者は事件翌日に釈放されたため,本件は、在宅事件として捜査が進められることとなりました。
事件から数か月後,本件は起訴されました。
公判では,弁護人は、女性が実際には誰も痴漢などしていないのに痴漢被害に遭ったと誤解したというケース・セオリーに基づき,目撃者及び女性の証人尋問を行いました。最終弁論では,「満員電車内の痴漢事件においては、被害事実や犯人の特定について物的証拠等の客観的証拠が得られにくく、被害者の供述が唯一の証拠である場合も多い上、被害者の思い込みその他により被害申告がされて犯人と特定された場合、その者が有効な防御を行うことが容易ではないという特質が認められることから、これらの点を考慮した上で特に慎重な判断をすることが求められる。」とした平成21年4月14日付最高裁判所第3小法廷判決を引用し,無罪を主張しました。
判決では無罪が言い渡されました。