弁護事件例

2016.06.17 【】

幼い実子に対する虐待事案で、保護観察付の執行猶予判決となった傷害事件

執行猶予
在宅

事案の紹介

依頼者は、生後数ヶ月の実子に対して、後頭部を床にたたきつける等の暴行を加えて、後遺症が残るほどの傷害を負わせたという事例。依頼者には、事件発生前から実子に対する身体的虐待を加えていたという経緯があった。

弁護活動

担当弁護士は、起訴後の国選弁護人として受任しました。
依頼者は、実子が生まれるまでは、真面目に会社員として稼働していた人でしたが、結婚生活上のストレス等から、生まれて間もない実子に対する虐待を行うようになっていました。事件発生後、被害者の母親でもある妻との関係は悪化し、離婚が成立していましたが、弁護人は、元妻との協議を重ねました。その結果、元妻は、情状証人として出廷してくれました。
依頼者は、在宅起訴であったため、裁判の準備期間中に、カウンセリングや児童相談所が嘱託した精神科医による更生プログラムを受けるなどの努力を重ねました。
元妻は、法廷で複雑な心境を交えながらも、将来、依頼者が本当に立ち直ってくれるなら、もう一度子供と一緒に生活しても良いとの証言をしてくれました。
検察官は、求刑3年6月とし、実刑を強く求める意図がうかがえる意見を述べましたが、裁判所は、保護観察付きの執行猶予判決(懲役3年、執行猶予5年)を言い渡しました。