弁護事件例

2016.06.17 【強盗・恐喝】強盗致傷

少年たちと行った強盗致傷の事件において、13年の求刑に対し、懲役9年の判決を獲得した事例

減刑
裁判員
示談

事案の紹介

 共犯者ら数名とともに通行人に暴行を加えて財布を奪い、中に入っている現金やクレジットカードを奪ったという事件でした。同じ事件を何件も続けて起こし、強盗致傷3件のほか、詐欺(奪ったクレジットカードの利用)・窃盗・傷害などが数件起訴されました。

弁護活動

 逮捕直後に国選弁護人として受任し、再逮捕が繰り返された後、強盗致傷3件のほか、詐欺、窃盗、傷害などが起訴され、裁判員裁判となりました。
 裁判員裁判の公判が始まるまでの期間に、それぞれの事件の被害者に対して損害賠償を行い、示談を完了させました。
 裁判で最も大きなポイントとなったのは、共犯者との役割関係でした。依頼人は大人であり、共犯者は皆少年でした。検察官は、大人である依頼人が主犯だと主張し、最も重い責任があると主張しました。しかし、依頼人から話を聞き、証拠を検討した結果、この事件は依頼人が主導した事件ではなく、少年たちも積極的に事件にかかわっていて、実質的には対等だったのではないかという実態があるように思えました。そこで、この事件は依頼人が主導した事件ではなく、(少年たちと)みんなで起こした事件であるという主張を軸に、弁護活動を行いました。
 裁判では共犯者の少年たちの証人尋問を行いました。少年たちを尋問し、少年たちが積極的に事件にかかわっていたことを示す事実を少年たちに認めさせる反対尋問を行いました。少年たちが積極的に事件にかかわっていたことを示す証拠や証人なども提出しました。このような弁護活動により、依頼人が主犯格とはいえないことが判決でも受け入れられました。検察官の求刑は13年でしたが、その7割を切る懲役9年の判決となりました。