弁護事件例

2016.06.17 【薬物事件】覚せい剤密輸

覚せい剤の密輸(2キロ)に関与した被告人に有罪判決(懲役7年・罰金300万円/求刑12年・罰金700万円)が言い渡された事例〔裁判員裁判〕

減刑
裁判員

事案の紹介

密輸組織関係者から,違法薬物の運搬を依頼された被告人が,マレーシアから2キロの覚せい剤を密輸しようとし,税関検査で発覚した事案。

弁護活動

私選弁護人として受任した裁判員事件です。
もともと国選弁護人が選任されていましたが,接見にあまり来ない上,アドバイスもなされないということで,担当することになりました。

被告人は,キャバクラで働く店員でしたが,密輸組織関係者から,いいお金になるアルバイトがあると誘われ,過去に何度か荷物を運んだり,アルバイトをする他の知り合いを密輸組織関係者に紹介したりしていました。

検察官は,被告人が組織関係者に近い立場にあったと主張し,懲役12年・罰金700万円の刑を求刑しました。

弁護人は,被告人はあくまで巻き込まれただけであり,組織関係者ではないことや,自分が関わったことがいかに間違いだったか反省も十分にしているということを主張・立証しました。反省を深めるために,覚せい剤の害悪に関する文献を読んでもらったり,交際相手とも今後のことを何度も話し合ってもらいました。

法廷でも,そのような反省や彼女を支えたい交際相手の気持ちが伝わったのか,裁判員から交際相手に「今後も彼女をささえてあげてくださいね。」というような発言がなされていました。

判決は,罰金が700万円から300万円と求刑の半額以下となりましたし,懲役刑も12年の求刑が7年と減刑されました。