弁護事件例

2016.06.17 【薬物事件】覚せい剤密輸

海外からの覚せい剤密輸事件で様々な証拠収集を試みた事例

裁判員
否認
証拠収集

事案の紹介

アメリカ人の依頼人の覚せい剤密輸事件で,「金粉を運ぶ仕事だと信じていた」との依頼人の言い分を裏付けるために,弁護人が様々な証拠を収集した事例

弁護活動

 事件は,アメリカ人の依頼人が,東南アジア等を経由して本に入国した際,荷物の中から覚せい剤が発見されたというものです。国選弁護人として受任しました。
 依頼人は,「金粉を運ぶ仕事を依頼された」と話し,金粉が入っているはずのスーツケースに覚せい剤が入っていたと説明しました。仮に,結果として覚せい剤を日本に持ち込んでしまっても,荷物の中に覚せい剤等の違法薬物が入っていることについての認識がなければ,覚せい剤密輸罪は成立しません。
 そのため,依頼人が,「金粉を運ぶ仕事」と信じた証拠を可能な限り集めることとしました。
 まず,依頼人の了承を得て,逮捕前に利用していた電子メール等の内容を確認しました。すると,依頼人が,金粉を取り扱う業者に自ら連絡を取っていることなどが分かりました。そこで,それらの電子メール等を弁護人が証拠化して裁判に提出しました。
 また,依頼人が話すような仕事が実在することを示すため,旅客機を用いて荷物を運ぶ仕事について客観性のある資料をまとめて弁護側の証拠としました。
 さらに,出発前の依頼人が「金粉を運ぶ仕事」であることに疑いを持っていなかったことを裏付けるために,アメリカ在住の妻に証人として出廷してもらいました。
 公判では,こうした証拠を踏まえ,依頼人が「金粉を運ぶ仕事」と信じて日本にやって来たことについて,説得的な意見を述べるよう試みました。
 しかし,結論として,依頼人は有罪となり,懲役8年の刑が科されることになってしまいました。