弁護事件例

2016.05.16 【強制わいせつ・痴漢】強制わいせつ致傷

保釈中に専門的治療プログラムを実施し、再犯可能性がないことを主張した強制わいせつ致傷事件(裁判員裁判)。

執行猶予
裁判員

事案の紹介

依頼者が、路上で、女性の衣服に手を入れるなどのわいせつ行為を行い、その際に女性に加療約10日間の傷害を負わせた事件。依頼者は、本件で逮捕される前に、同様の行為を繰り返しており、自身もそのような性的傾向があることを自覚していました。

弁護活動

依頼者は、当初は、強制わいせつ罪(「致傷」でない)の嫌疑で逮捕・勾留され、別の弁護士を選任していました。起訴の段階で、罪名が強制わいせつ致傷罪となり、裁判員裁判対象事件となった際に、弁護人を変更し、受任することになりました。
受任後、弁護人は直ちに保釈を請求し、認められました。弁護人は、性依存症の専門的治療プログラムを提供している医療機関に協力を求め、依頼者と共に施設を見学するなどした結果、依頼者は治療プログラムを受けることを決めました。依頼者は週6日間に及ぶプログラムを実施しながら、裁判の準備を進めることができました。弁護人は、同医療機関の院長である医師に法廷で証言してもらい、一般市民である裁判員にもプログラムの内容やその効果について理解してもらうことを目指す法廷活動を行いました。
また、被害女性との間でも、数か月にわたる交渉を続け、起訴前には拒否されていた示談が成立しました。
裁判の結果、依頼者は、執行猶予判決を受け、社会内での生活を続けることができました。