弁護事件例

2016.05.16 【殺人】殺人

母子家庭で生活が困窮し,娘と心中しようとしたものの,娘を殺害し,その後に母親が死にきれなかった殺人事件

減刑
裁判員

事案の紹介

母親と娘は,本当に仲が良い,学校でも評判の仲良し親子でした。
母親は,パート勤務で収入は乏しかったのですが,娘をかわいく思うあまり,部活動の費用,娘が応援するアイドルのグッズ等,必要なものを買ってあげていました。
そのようなこともあり,生活費が足りなくなり,ヤミ金にも手を出し,最後は,家賃を滞納し,家からも出ていかなくてはならなくなりました。
お金もなく,住むところもなくなる母親は,絶望し,自分だけ死のうと考えましたが,娘を一人にはできないと考え,まず娘を殺害し,その後に自分も死のうと考えましたが,その前に警察に逮捕されました。

弁護活動

どんな親子だったのか,学校の先生や関係者に話を聞きました。
実家とは絶縁状態で手紙を出しても連絡がとれなかったので,実家のある北海道まで行って,たまたま親族とも会えたので,母親は,どんな子供だったのか,これまでどんな生活をしてきたのか,そういった様々な生活歴や苦労を聞きました。
裁判では,お金が無くなり,住むところも失う状況に追い込まれてしまったことを明らかにし,追い込まれた経緯には酌むべき点がある等の主張をしました。
検察官の求刑は,懲役14年でしたが,判決は,懲役7年でした。