弁護事件例

2025.09.08 【薬物事件】覚せい剤密輸

覚醒剤を密輸したと覚醒剤取締法違反、関税法違反で起訴されたが、覚醒剤密輸の故意がないとされ、覚醒剤取締法違反及び関税法について無罪とされた事例

無罪
裁判員
否認

事案の紹介

アフリカ在住の女性が、交際相手の男性から、日本の知人に渡してほしいと言われて預かったハンドバッグ内に覚醒剤が隠匿されており、税関検査で覚醒剤が発見され、覚醒剤取締法違反、関税法違反で起訴された。

弁護活動

依頼者に、覚醒剤が隠匿されたハンドバッグを渡した人物は、密輸組織の関係者と思われましたので、依頼者は、その男性に欺されたことを主張・立証しました。
依頼者とその男性は、SNSなどでやりとりしていましたが、裁判でも、二人の間で、密輸をほのめかすようなメッセージがないことを丁寧に説明しました。
検察官は、高額な費用を出して、日本に来ること、荷物を預かってくることがそもそもおかしいと主張しましたが、依頼者は、男性からハネムーンに行こうと誘われていたこと(日本に行く直前に、同時に行けない、先に行って欲しいと言われたこと。)や、知人へのプレゼントだとされた荷物を預かってくること自体はあり得ることだと主張しました。
裁判でも、被告人が男性から欺されて事情を知らないでハンドバッグを持ってきたことが認定され、犯罪は成立せずに無罪とされました。