弁護事件例

2023.05.22 【放火】現住建造物等放火

執行猶予中,現住建造物等放火事件で逮捕,勾留されたが不起訴となった事案

不起訴
捜査弁護
否認

事案の紹介

被疑者が家族と同居していた自宅に火をつけて全焼させた現住建造物等放火事件

弁護活動

被疑者は,強盗事件で裁判を受け執行猶予中でした。起訴された場合,実刑が予想される事件でした。
被疑者は,事件の数ヶ月前から引きこもりがちとなり,自殺目的で放火しています。
被疑者には精神科への通院歴はないのですが,引きこもった経緯や事件の動機から,何らかの精神障害の影響で放火した可能性がある事件でした。
被疑者はなかなか事件に関する話をしてくれませんでしたが,連日的に接見し,雑談等をしながら信頼関係を深め,ようやく事件のことが聞けるようになりました。
被疑者の家族とも協議して,今後,被疑者の治療が必要であること等を説明し,同居していた家族から身柄引受書をもらいました。全焼した不動産の所有者(被疑者の親族)からも被疑者の処罰を望まない旨の上申書等を作成して,それらの書類を検察官に提出しています。
被疑者について,精神鑑定が行われ,上記の情状も考慮の上で不起訴となりました(検察官は,不起訴処分の後,医療観察法の申立てを行い,被疑者については,医療観察法に基づく治療が必要であるとの審判が出ています。)。