登録事務所・弁護士

法律事務所シリウス

弁護士中井淳一

■略歴

2004年3月  東京外国語大学外国語学部卒業
2007年3月  東京大学法科大学院卒業
2007年9月  司法試験合格
2007年11月 司法修習開始
2008年12月 法律事務所シリウス入所

■インタビュー

刑事弁護を志すようになった理由は何ですか?

僕が本格的に刑事弁護をやっていきたいと思うようになったのは,弁護士になってからです。
僕が所属している法律事務所シリウスは,多くの刑事事件を取り扱っています。僕自身も,新人のころから,多くの刑事事件に関わる機会がありました。
実際に捕まってしまい,困っている依頼者や家族を前にすると,少しでも力になりたいという強い思いが芽生えます。しかし,新人のころは自分一人では力不足を感じることがありました。
研修などで研鑽を重ね,実際の事件を多く経験をしていくことで,刑事弁護を極めて行きたいと思うようになりました。

初めての刑事事件は,どんなものでしたか?

カリブ海の小国出身の男性が起こした傷害事件でした。
初めて警察署に接見に行ったとき,ドレッドヘアーの大柄な男性が,心細そうに現れた様子を鮮明に覚えています。
初めての事件で聞いたこともないような国から来た方を弁護することになって,実は僕の方もいきなりの展開に面食らっていましたが(笑)

刑事事件の中で,重点的に取り組んでいる分野はありますか?

裁判員裁判です。
僕は千葉県で弁護士をしていますが,千葉県は,全国的にも裁判員裁判の数が多くあります。
僕自身は,これまでに,20件以上の裁判員裁判の公判を経験しています。
裁判員裁判になるのは一定以上の重大事件なので,1件1件,重みがあり,非常に貴重な経験になっています。

どんな事件の裁判員裁判を担当してきましたか?

殺人,傷害致死,強盗致傷,性犯罪等,様々な事件で裁判員裁判の弁護人を務めてきました。依頼者が外国人の事件,少年の事件もありました。
その中で,特に多く経験しているのは,覚せい剤の密輸事件です。
成田空港では,覚せい剤の隠されたスーツケース等を運んできて税関検査で摘発される事例が後を絶ちません。そのため,千葉県の弁護士は,覚せい剤密輸事件の弁護を担当する機会があります。
僕はこれまで,起訴されずに終わった事案も含めて,10件以上の覚せい剤密輸事件を担当してきました。
特に問題になるのは,密輸組織等に利用され,知らぬ間に覚せい剤の運び屋として利用されてしまったという事件です。そうした事件で,実際に無罪の判決が出された事例がいくつもあります。
何も知らない人が,誤って処罰されることは,絶対に防がなければならない。そう思って,弁護活動に取り組んでいます。
また,個人的には,日弁連や千葉県弁護士会で,覚せい剤密輸事件の情報集約を担当しており,たくさんの判決文に目を通しています。

裁判員裁判で心がけていることはありますか?

法廷の場で,「伝えきる」ということです。
裁判員裁判では,一般の裁判員の方々に,法廷で見聞きしたことをその場で理解してもらわなければなりません。
法廷が開かれる時間は,限られています。短い事件では,1日で終わってしまうこともありますし,特に複雑な事件を除けば,1週間以内に収まる事件が大半です。
短い時間の中で,適切にこちらの主張を伝えるためには,主張の取捨選択,構成や内容をよく吟味する必要があります。
僕が裁判員の前で意見を述べる際には,パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトを利用したり,大きなパネルを持ち込んで要点を示したりして,裁判員への伝え方に工夫をするようにしています。

刑事弁護をやっていく中で,今後の目標を教えてください。

何よりもまず,知識を深め,技術を高めていくことに務めたいです。
弁護人の活動が失敗すれば,無実の人が誤って罰せられてしまうこともあります。
刑事弁護をやっていく上では,熱意ややる気も必要ですが,知識や技術がなければ,依頼者の方を救うことができません。
1人でも多くの依頼者を救うために,日々,努力を怠らず,自分を高めていきたいと考えています。