登録事務所・弁護士

弁護士出口聡一郎

弁護士 出口聡一郎

■プロフィール■

1995年6月 Athens Drive High School(米国)卒業

2000年3月 九州大学法学部卒業

2007年9月 弁護士登録(佐賀県弁護士会に所属)

2011年1月 すず風法律事務所開設

■主な経歴■

佐賀大学経済学部非常勤講師(担当科目:刑事訴訟法)

佐賀県弁護士会刑事弁護委員会副委員長

日本弁護士連合会刑事弁護センター委員

同センター法廷技術小委員会委員

九州弁護士会連合会刑事弁護連絡協議会委員

 

■自己紹介■

Q 市民から「なぜ犯罪者の味方をするのですか?」という質問をされた場合,あなたはどう答えますか?

A 刑事弁護を経験した弁護士であれば,一度はQのような質問を受けたことがあるのではないでしょうか。日本では,多くの人が,弁護人に対し,「なぜ悪い人の味方をするのか?」という素朴な疑問を持っているといえます。

その要因として,「人々は,刑事事件について想像するとき,自分を犯罪被害者の立場に置いて想像する傾向があり,自分を被疑者・被告人の立場に置いて想像することは少ない。そのために,刑事弁護人の役割について実感をもって理解することが難しい。」(後藤昭「刑事弁護人の存在意義」『刑事弁護人の役割』第一法規出版12頁)という指摘がなされています。

多くの市民にとって,「犯罪者」というレッテルを貼られた被疑者・被告人は,自分たちとは無縁の人であり,彼らを擁護する弁護人までもが,あたかも「犯罪者」の片棒を担いでいるかのような印象を与えるのでしょう。

しかし,刑事裁判では,有罪の判決が確定するまで被告人は無罪の推定を受けます。その人が有罪かどうかを確かめるのが刑事裁判なのですから,「罪を犯したことが間違いない」と証拠によって認定されるまで犯罪者と扱うことなど許されません。

また,刑事裁判が人によって判断される以上,必ず間違いは起きます。残念ながら我が国においても,免田事件,財田川事件,松山事件,島田事件,志布志事件,氷見事件,足利事件,厚労省元局長事件,布川事件等々多くの冤罪事件が発生しています。

間違っても罪を犯していない人が処罰されるようなことがないように,被告人の立場に立って被告人の権利を擁護する弁護人が必要なのです。

例え,無罪を争う事件でなかったとしても,犯した罪に見合った刑を超えて処罰されることが許されるはずがありません。

社会から非難の対象となり,弱い立場に置かれているからこそ,その権利が侵害されやすいのであって,私たち弁護人は,権力の刃を常に喉元に付きつけられている被疑者・被告人を守るという重要な役割を与えられているのです。

私たちが,常日頃からこんな当たり前のことを言い続けることで,いつか,人々が,被疑者・被告人の立場で物事を想像することができる社会になる日がくると信じています。

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