無罪判決が確定した場合、国に対して、その身体拘束期間に応じた補償を請求することができます。刑事補償請求という制度です。
補償金の金額は、法律上、無実の罪で拘束された日数1日当たり、1000円~1万2500円の範囲で定めるものとされています(刑事補償法第4条1項)。
具体的な補償金額を定めるに当たっては、裁判所は、拘束期間の長短や本人が受けた財産上の損失や精神的・身体的苦痛など、様々な要素を考慮して定めるものとされていますが(刑事補償法第4条2項)、実際には、上限の金額である1日当たり1万2500円で補償される事例が比較的多いといえます。
少し複雑なのは、複数の罪で勾留されて起訴された結果、一部の罪についてのみ無罪判決が言い渡された場合です。この場合には、裁判所の裁量により補償に一部または全部をしないことができるとされており(刑事補償法第3条)、無罪部分と有罪部分の身体拘束の関係に応じた補償がなされることになります。
また、ある罪について勾留されて不起訴となった後、別の罪で勾留されて結果的に無罪となった場合、不起訴なった勾留期間についても補償の対象となる場合があります。具体的には、不起訴となった勾留の期間中に、後に無罪となった事件に関する捜査等が行なわれていた場合には、不起訴となった勾留も刑事補償の対象に含まれ得ることになります(最大決昭和31年12月24日刑集10巻12号1692頁参照)。
このように、刑事補償の請求には、複雑な内容となる場合もあるため、無罪事件の担当弁護人など、弁護士とよく相談をして請求を行なうことが良いでしょう。
法律事務所シリウス 弁護士 中井 淳一