刑事弁護ブログ

2022.06.27 刑事弁護コラム

精神の障害を有する人に関する刑事弁護。

刑事事件の被疑者・被告人とされる人の中には、何らかの精神的な障害を有する方もいます。法務省が公表している2020年版の矯正統計によれば、新受刑者16,620のうち、何らかの精神的な障害(知的障害、人格障害、神経性障害、その他の精神障害を含むもの)を有する人は2,544人となっており、全体の約15.3%となっています。

上記の数値は、刑事裁判にかけられ、実刑判決が確定した人の割合なので、捜査段階で不起訴処分となったり、起訴されても執行猶予付判決となるようなケースを含めれば、より多くの精神障害を有する人が、刑事手続の対象とされていると考えられます。

刑事弁護人としては、このことは、精神の障害を有する人が、えん罪に巻き込まれたり、不当に重い刑罰を受けたりすることが決して珍しくないということを示していると考えます。だからこそ、法的な知識や一般の刑事手続きに関するノウハウだけでなく、精神の障害の特性を十分に理解した刑事弁護活動を行うことのできる実力が必要であると感じさせられます。

法律事務所シリウス 弁護士 虫本良和