刑事弁護ブログ

2021.07.05 刑事弁護コラム

酔っ払って記憶にないときの責任

泥酔して友人や見知らぬ人と喧嘩になる、というのはよくある事件です。
ただ、翌朝目が覚めたら、警察署の留置場の中でした、ではシャレになりません。
相手に怪我をさせてしまったら、傷害罪です。
「酔っ払っていたので許してください」ではすみません。
やってしまったことが事実である場合、「記憶にないから責任もないのではないか」と思われる方もいらっしゃいます。
もちろん、精神鑑定が行われ、アルコールが事件に影響を与えた、と判断されて、責任が軽くなることもないわけではありません。
しかし、単純に記憶にないから責任がない、ということにはなりません。
他方で、「記憶にないが言われた通りのことをやったんだろう」と安易に責任を認めることも危険です。
攻撃されそうになってやむを得ず反撃した、という正当防衛状況だった可能性もあります。
「酔っ払って事件を起こした」という場合にも、すぐに弁護士に相談し、どう対応するか慎重に判断してください。

東京ディフェンダー法律事務所 久保 有希子