刑事弁護ブログ

2019.02.20 刑事弁護コラム

「情状証人」って何?

刑事裁判の証人として,事件発生場面の目撃者や捜査を行った警察官など,被告人が有罪か無罪かを決めるために必要な事実を知っている人が,法廷に呼ばれて証言することが多いのは当然です。やや専門的な用語ですが,このような証人のことを「罪体に関する証人」と呼ぶことがあります。
一方,被告人が有罪であることを前提に,刑の重さを決めるために必要な事実を知っている人が,法廷で証言するということも刑事裁判で多くあります。このような証人を「情状に関する証人」或いは単に「情状証人」と呼びます。情状証人には,家族や雇用先の関係者などが選ばれることが多いですが,最近では,福祉や医療関係の専門家が情状証人となるケースも増えてきました。例えば,不安定な生活環境や病気の症状等が犯罪発生の原因のひとつとなっていたとみられる事件において,その原因が解消されたことを,専門的な立場から証言してもらうことで,重い刑罰が必要ないことを理解してもらうといった弁護活動が考えられます。

法律事務所シリウス 虫本