刑事弁護ブログ

2019.02.13 刑事弁護コラム

「指紋」は有罪の決め手になるか?

刑事ドラマや推理小説などで,犯人を明らかにする「決定的」証拠として登場する指紋ですが,実際の事件でも指紋が証拠となることは少なくありません。ただし,刑事裁判の場合,そう簡単に「決定的」証拠であると扱ってしまう訳にはいきません。
そもそも,事件に関係するすべての指紋が現場から採取される訳ではありませんし,捜査機関が実施した指紋鑑定の結果がすべて正確であるとも限りません。さらに重要なのは,例えば,現場や凶器等から被告人とされた人の指紋が発見されたとしても,事件発生時とは全く別の機会に付着した可能性があるというケースもあります。
指紋やDNAの鑑定など,科学的な証拠が刑事裁判に登場することは多くありますが,そのような事件こそ,「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判のルールが守られるように,私たちは,弁護活動を行っています。

法律事務所シリウス 虫本