刑事弁護ブログ

2018.10.31 刑事弁護コラム

証拠書類の山に埋もれて

大きな事件が起きた場合,様々な捜査が行われ,膨大な捜査記録が作成されることになります。
そして,その事件が刑事裁判になれば,膨大な量の捜査記録が,証拠として検察官から弁護人に開示されることになります。

通常,弁護人は,検察官から開示を受けた証拠の謄写(コピー)をとります。
大きな事件や複雑な事件であるほど,開示を受ける証拠書類の量は増えていきます。数千点の証拠書類が存在するという事件も,珍しくはありません。

膨大な証拠書類が存在する事件では,証拠書類の持ち運びも簡単ではありません。
依頼者との接見や,裁判所での公判の際には,弁護人の事務所から証拠書類を持って行く必要が生じます。大量の証拠書類がある場合には,大きなスーツケースに書類を詰め込み,複数の弁護人で協力して持ち運ぶこともあります。

また,膨大な証拠書類の中から,1つの証拠を取り上げる必要が生じる場合もあります。証拠書類の山に埋もれて迷子にならないように,日頃から,一覧表を作るなどして証拠書類を適切に管理しておく必要があります。
法律事務所シリウス 中井淳一