刑事弁護ブログ

2017.12.20 刑事弁護コラム

第一審刑事裁判の流れ

刑事事件で起訴されると、裁判を受けることになります。
起訴されると、通常は1か月から1か月半後くらいに、第一回の公判が行われます。第一回の公判では、まず最初に、名前や住所、職業などについて聞かれた後、検察官が起訴状を読み上げます。起訴状に書かれていることが間違いないかどうかの意見陳述から裁判が始まります。
この冒頭の手続が終わると、今度は「証拠調べ」が行われます。お互いが証拠を提出したり、証人の尋問をしたりという手続です。この証拠調べがどのくらい行われるかは事件によって違います。事実関係を認めている事件では、検察官側の証拠は書類だけで終わり、あとは被告人が話をして初回の公判だけで証拠調べが終わる例もあります。他方で、事実関係を争う複雑な事件では、証拠調べのために何回も公判が開催され、何人もの証人の尋問をする事件もあります。検察側と弁護側の双方が証拠に関する攻防を行うのがこの証拠調べ手続になります。
証拠調べが終わると、最後に検察官と弁護人がお互いに意見を述べます。検察官は、被告人が有罪であることと、被告人に科す刑の意見(「求刑」と呼ばれています)を述べます。弁護人は、事実関係を認めている事件であればどんな刑がふさわしいかの意見を述べますし、事実関係を争っている事件ではなぜ被告人が無罪といえるのかを証拠に基づいて議論します。
こうして刑事裁判は判決を迎えます。最も早いものでは、冒頭の手続きから判決まですべて1回目の公判で終えてしまう事件もあります。一方で、何年にもわたり何十回も公判が重ねられるような難しい裁判もあります。ここまでが第一審の裁判の流れで、判決に不服がある当事者は控訴して、第二審(控訴審)の裁判に移っていくこととなります。

東京ディフェンダー法律事務所 山本衛