刑事弁護ブログ

2017.09.06 刑事弁護コラム

裁判員裁判で,一般市民が裁判員として刑事裁判に参加する意義は?

裁判員裁判では,裁判官3名に加えて,一般市民から選ばれた6名の裁判員が参加し,裁判官とともに有罪か無罪を判断し,有罪の場合の刑の重さを決めることになります。
このように裁判員裁判で,一般市民の裁判員が参加する意義はどういったところにあるでしょうか。

不確かなことで人を間違って処罰することは許されないことです。
このため,刑事裁判では,証拠を検討した結果,常識に従って判断し,有罪であることが間違いないといえなければ有罪とできず,有罪とすることに疑問が残れば無罪としなければならないと,ルールが定められています。

裁判官は裁判のプロであっても,裁判官の「常識」が常に一般市民の方より勝っているとはいえません。
むしろ,裁判官の限られた経験に基づく判断よりも,一般市民の方が様々な立場や人間関係の下で積んできた経験に基づく判断をふまえたほうがが,より常識的であるのではないでしょうか。

裁判員裁判で一般市民の方が参加するのは,一般市民の方の健全な常識を裁判に反映して,刑事裁判で間違って人を処罰することがないようするというとても重要な意義があるものだと思います。
そのためにも,裁判員の方が評議の場において,ご自身の考えや意見を積極的に述べて議論することが求められているものと思います。

東京ディフェンダー法律事務所 弁護士 藤原大吾