防犯カメラは刑事事件においても重要な証拠になります。最近では、電車の車両内などでも、防犯カメラが設置されていることがあります。
ですが防犯カメラ映像は日々上書きされて消えていきます。2週間や10日ほどで消えてしまうことが多く、ものによってはこれよりも短い期間で消えてしまうものもあるでしょう。そのため、早期に保全しておくことが重要になります。
捜査機関も同様にこういった防犯カメラ映像を保全していることがあります。ですが、弁護人と捜査機関の間では、重要と考える防犯カメラ映像の時間に違いがあって、弁護人が必要だと考える防犯カメラ映像が保全されていないこともあります。
また、裁判前の捜査段階では、捜査機関が防犯カメラ映像を保全していたとしても、弁護人が映像を見ることはできません。
捜査段階や裁判で活用するためにも、弁護人側で防犯カメラ映像を保全しておく必要があります。
保全する方法は、複数考えられます。
まずは、防犯カメラの管理会社に対して、弁護士会照会(弁護士会を通じて行う正式な紹介制度です)をする方法です。この場合、管理会社から弁護士へ映像を提供してもらうことになります。一方で、この照会制度が管理会社に到達するまでに時間を要することがあり、映像が消えてしまう可能性があります。そのため、事前に管理会社に連絡をして、事情を説明し、正式な照会が届くまで防犯カメラ映像を保管しておいてもらうことが有用です。
この手段はいつでも取れるため、捜査段階で入手できれば捜査段階でも防犯カメラ映像を見た上での防御が可能になります。また、捜査機関に対して内容を見られることなく保全が可能で、弁護人側に有利であれば裁判で証拠として提出することも考えられます。
次に、捜査機関に対して、特定の防犯カメラ映像の保全を申し入れる方法です。捜査機関に申入書を事実上提出することになります。
この手段もいつでも可能ですが、捜査機関の手元で保全されるので、捜査段階では映像を見ることはできません。裁判後に証拠開示請求をして、初めて入手することができます。管理会社によっては、捜査機関には映像を開示し、弁護士に対しては回答できないといった会社も考えられるため、こういった場合には有用です。
また、裁判所に対して証拠保全の請求をする方法もあります。裁判所によって、防犯カメラ映像の記録媒体の押収を請求したり、映像そのものの検証を請求したりすることになります。
弁護人が特定した防犯カメラ映像を強制力によって保全することができます。一方で、この方法は、証拠保全の必要性判断において、裁判所と検察庁が連絡を取り合い、捜査機関によって押収済みとの回答が得られたことから、証拠保全の必要性なし、と判断されることが多々あります。(こういったケースの中には、裁判後に証拠開示請求をして出てきたときに、必要な箇所が保全されていないといったケースもあります。)保全された場合には、その内容を検察官も弁護人も確認することができ、その内容を裁判でも利用するか検討することが可能です。
東京ディフェンダー法律事務所 弁護士 開原早紀