裁判員裁判が開かれる際には、一般市民の中から無作為に抽出された裁判員候補者を裁判所に呼び出した上で、裁判員等選任手続が開かれることになります。
裁判員等選任手続に出席するのは、裁判官、裁判所書記官、検察官、弁護人です(裁判員法第32条1項)。法律上、裁判所が必要と認める場合には被告人も出席できるとされていますが(裁判員法第32条2項)、実務的には被告人が出席するケースはほとんどないと考えられます。
裁判員等選任手続は、裁判長が指揮をして進め(裁判員法第33条2項)、裁判員候補者等への質問等を行ないます(裁判員法第34条1項)。なお、実務上、個別に口頭での質問等を行なうのは、辞退を希望する裁判員候補者など、候補者全体の一部に限られており、質問自体もそれ程長時間を要しないことがほとんどと考えられます。
弁護人と検察官としては、裁判員候補者に裁判員としての欠格事由(裁判員法第14条)や就職禁止事由(裁判員法第15条)がある場合には、当該裁判員候補者について不選任の請求をすることができます(裁判員法第34条4項)。
また、弁護人と検察官は、理由を示さずに特定の裁判員候補者について裁判員として不選任とする請求をすることができ、その人数は、弁護人、検察官がそれぞれ原則として4名までとされています(裁判員法第36条)。
このような手続を経て、裁判員等選任手続では、審理や評議に参加する裁判員及び補充裁判員を最終的に選任することになります。
法律事務所シリウス 弁護士 中井 淳一