今日は少し指向を変えて、司法試験の勉強のような話をしたいと思います。
法律の分類として「手続法」と「実体法」という分類があります。
まず「手続法」とは、どのように裁判などの法的手続が進むのか、ということを定めた法律です。刑事事件では、刑事訴訟法が最も重要かつよく使う手続法です。裁判などの進み方、裁判で提出する証拠のルールなどが書かれています。そのほかに、裁判になる前、つまり警察官や検察官が捜査をする段階において捜査機関に課されたルールも書かれています。逮捕した場合に身体拘束ができるのはどのくらいの期間なのか、どういう場合に強制捜査ができるのか、などのルールが書かれているのです。
一方で「実体法」とは、実際に我々市民がどういう権利義務を負っているのかを定めている法律です。刑事事件では、刑法が最も重要かつよく使う実体法です。刑法では、たとえば、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と書かれています。刑法は、窃盗を禁止して、窃盗を行ったときの法的な義務について規定しているのです。
こうした法律を使うのは簡単に見えるかもしれませんが、実は、法律の解釈を巡って争いが起こることがあり、それが裁判で争われることもあります。また、訴訟手続の中で、瞬発的に法解釈に基づいた主張や相手方当事者の行為に対する異議を述べなければならない場面も多々あります。弁護士は、当然ながらこうした法律解釈のスペシャリストでなければならず、法廷でこれを武器にできる必要があります。
法律事務所創衛 弁護士山本衛