刑事弁護ブログ

2023.06.26 刑事弁護コラム

保釈に関する新たな制度(監督者制度の新設)

令和5年5月に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律により、保釈に関する新たな制度が創設されました。

改正されたポイントは多岐にわたりますが、ここでは、保釈等をされている被告人の「監督者制度」の説明をします。

新法では、「裁判所は、保釈を許し、又は勾留の執行停止をする場合において、必要と認められるときは、適当と認める者を、その同意を得て監督者として選任することができるものと」する定めが規定されています(監督者制度)。

監督者制度は具体的には、次のように定められています。

・裁判所は、保釈を許し、又は勾留の執行停止をする場合において、必要と認めるときは、適当と認める者を、その同意を得て監督者として選任することができる。
・監督者は、被告人の逃亡を防止し、及び公判期日への出頭を確保するために必要な監督をするものとする。
・裁判所は、監督者に対し、次の各号に掲げる事項のいずれか又は全てを命ずるものとする。
一 被告人が召喚を受けたときその他この法律又は他の法律の規定により被告人が出頭しなければならないときは、その出頭すべき日時及び場所に、被告人と共に出頭すること。
二 被告人の住居、労働又は通学の状況、身分関係その他のその変更が被告人が逃亡すると疑うに足りる相当な理由の有無の判断に影響を及ぼす生活上又は身分上の事項として裁判所の定めるものについて、次に掲げるところに従って報告をすること。
イ 裁判所の指定する時期に、当該時期における当該事項について報告をすること。
ロ 当該事項に変更が生じたときは、速やかに、その変更の内容について報告をすること。
・監督者を選任する場合には、監督保証金額を定めなければならない。

保釈実務においては、従来、被告人の親族等に、身柄引受人になってもらい、保釈を求める際に身柄引受書を提出していました。
監督者制度が創設された後も、従来と同様、身柄引受人を利用した保釈も引き続き行われることになります。

監督者制度は、監督者に選任された場合、身柄引受人と異なり、法律上の義務を負い、また、監督保証金の納付が義務づけられることになります。身柄引受人よりも監督者を選任することで保釈が許可されやすくなる事件での利用が想定されます。
もっとも、監督者は、上記の義務を負うことから、弁護人としても、被告人及び監督者に制度の説明を的確に行うなどのフォローが必要になってくるかと思われます。

監督者制度の施行時期ですが、公布日(令和5年5月17日)から1年以内に施行されることになります。
法理事務所シリウス
弁護士 菅 野 亮