刑事弁護ブログ

2022.02.14 刑事弁護コラム

「更生支援計画」の活用

被疑者・被告人とされた人が何らかの障害を有するという場合、そのような特性を踏まえた上で、再犯を行わないために必要な支援内容や生活環境を提案することで、検察官や裁判所に、依頼者にとって有利な刑事処分を求めていくことは、情状弁護活動として重要なものとなります。このような提案を、社会福祉士等の福祉専門家に依頼して書面として作成してもらったものが「更生支援計画」と呼ばれるものです。

もちろん、全てのケースで更生支援計画の作成が必要である訳ではありませんが、単に弁護人の意見や見立てとして述べるよりも、専門家の知見に基づく事件の背景となった問題点の分析やその改善策としての環境や関係者の調整の提案は、検察官の終局処分や裁判での判決に与える証拠としての価値も高いと評価されることが多いと考えられます。

また、現時点では一部の地域に限られますが、更生支援計画が、裁判の証拠として請求された場合には、判決後に、保護観察所や拘置所にその内容を引継ぐという取り組みが施行されています。

法律事務所シリウス 弁護士 虫本良和