刑事弁護ブログ

2020.10.28 刑事弁護コラム

弁護士は何人つけるべきか

 私選弁護士を雇うときに,弁護士は何人雇えばいいでしょうか。
 刑事事件で弁護士に相談したときに,複数の弁護士で対応すると言われたり,あるいはご自身の方で刑事寺家に強い弁護士を複数つけた方が良いのかと悩まれることもあると思います。

 刑事事件は,警察検察が何人もの捜査員を動員して多数の証拠を集めます。
否認事件ともなれば,証人尋問を何人も行うこともあります。また,法医学などの専門的知見が必要となるケースもあります。
 刑事弁護の仕事は,刑事弁護士としての専門(法的知識や法廷技術など)をいかすのと同時に,現場に足を運んだり,接見に行ったり,大量の証拠を読み込んだりなどの物理的な時間を要する活動が少なくありません。
 従って,事案の重大性や争点の複雑さ,証拠の量によって,複数弁護士がいた方がよりより弁護活動ができることも多いです(1人で担当するには相当困難な事件があります)。
これは,決して殺人などの重い犯罪だから大変ということではあく,争い方と証拠の量によるところが大きいです。

 ただしいればいるだけいいかというとそうでもありません。
 弁護士が多くなればなるほど責任が分散し,自分の事件であるという感覚が共有できなくなります。
 ほとんどの事件が,2人ないし多くても3人が上限かと思います。

 また,同じ事務所の方が良い場合もあれば,他事務所同士の方がお互いの意見を交換する上でよい場合もあります。
 
 いずれにしても複数雇う場合には費用も高くなりますので,弁護士に複数のメリットや必要性を十分に聞いた上で判断しましょう。

 東京ディフェンダー法律事務所 坂根真也