刑事弁護ブログ

2020.04.22 刑事弁護コラム

出頭要請は断っていいか

警察から事情を聞きたいといわれたとき,断ってもいいのでしょうか。
 警察が事情を聞きたいという場合にもいろいろとあります。
 容疑者と疑っている場合もあれば,容疑者ではないが事件に関係していると思っている場合もあるでしょう。
 容疑者と疑っている場合でも,それなりに証拠は集めていて逮捕状を請求しようと思えばできるがとりあえず任意で話しを聞こうという程度から,まだ証拠は集まっていないが事情を聞くという程度もあります。

 法的には警察の出頭要請(任意の取調べ)はあくまで強制処分ではなく,任意の捜査ですから断ることができます。
 断ったからといってすぐに逮捕というわけではありませんが,警察が容疑を深める要因になる場合がありますので,証拠の収集状況や事案の重大性等から,いきなり逮捕状を取って逮捕されてしまうリスクもあります。
 他方で,任意の調べに応じたからといって逮捕を防げるというわけでもありません。
出頭して供述した内容によって逮捕されてしまうこともあるのです。

 警察から出頭要請が来た場合には,弁護士に相談することをお勧めします。
 出頭するか否か,出頭するとして取調べにどのように対応するかなどは刑事弁護の専門化の弁護士と十分打ち合わせ手からの方がよいでしょう。

 仮に断る場合でも,逃亡せず定まった場所で生活することや,罪証隠滅などをしないことを通知し,できる限り逮捕を防ぐ手段を講じることが大切です。