刑事弁護ブログ

2019.11.06 刑事弁護コラム

覚せい剤密輸事件の刑の重さ

 覚せい剤の密輸(営利目的輸入)は,重大な犯罪であり,有罪になれば最高で無期懲役の刑が科されることになります。
 実際上多いのは,スーツケース等に隠して,航空機で覚せい剤を持ち込むケースです。こうした事例では,持ち込みを行った人物が有罪とされれば,概ね7~9年前後の懲役刑となることが多くなっています。
 具体的な懲役刑の年数は,その事案ごとの事情により判断されますが,持ち込んだ覚せい剤の量は重視されます。覚せい剤の量が重ければ重いほど,量刑も重くなる傾向が明らかです。
 そのような量刑の定め方の当否はともかく,現実には,多量の覚せい剤を持ち込んで有罪となれば,重い懲役刑は避けられません。
 ただし,密輸を引き受けることになった経緯などに,よほど同情できるような事情がある場合には,他のケースと比較して軽い刑が科されることもあります。

法律事務所シリウス 弁護士 中井淳一