刑事弁護ブログ

2019.08.28 刑事弁護コラム

接見禁止の場合,本の差し入れはできますか

 勾留され,接見禁止処分がつけられることがあります。

 刑事訴訟法81条は,「裁判所は,逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは,検察官の請求により又は職権で,勾留されている被告人と(中略)接見を禁じ,又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し,その授受を禁じ」ることができると規定しています。

 接見禁止がつくと,家族であっても面会もできず,手紙の授受もできません。
 接見禁止決定については,準抗告や解除申請ができますので,まずは,弁護人と接見禁止処分を無くすことができないか相談してみてください。

 接見禁止決定は,通常,「接見すること及び書類(書き込みのない市販の書籍,雑誌,新聞を除く。)その他の物(糧食,現金,着替え類,寝具及び洗面具等の日用品を除く。)を授受することをいずれも禁止する。」となっています。ただし,接見禁止決定内容については,地域差があり,かつては千葉では,市販の書籍についても接見禁止がつくと差し入れができない時もありました。

 したがって,上記のような一般的な接見禁止決定内容であれば,書き込みのない市販の書籍,新聞等を差し入れることができます。
 また,糧食,現金,着替え類,寝具及び洗面具等の日用品の差し入れも可能です。

 もっとも,警察所や拘置所は,差入物品についての細かい制限をしているので(衣類でも,自殺防止の観点から紐のついた衣類の差し入れや最近ではなぜかユニクロのヒートテックの差し入れは駄目だと言われます。),何が差入可能かについては,事前に留置施設で確認しておくと確実です。

 書籍についても,1度に差し入れる書籍数を5冊程度に制限しているところが多いので,その点も確認してから持参するとよいかと思います。

法律事務所シリウス 弁護士 菅 野  亮