刑事弁護ブログ

2019.01.23 刑事弁護コラム

「強制性交罪」に関する法改正と実務への影響

平成29年の刑法改正により,これまで「強姦罪」と規定された罪が,「強制性交罪」という名称に変更になりました。
これに伴い,刑法改正前は,「強制わいせつ罪」で処罰されていた一定の類型の性犯罪(口腔性交や肛門性交)が,「強制性交罪」に含まれるようになりました。
「強制わいせつ罪」の法定刑は,6月以上10年以下ですが,「強制性交罪」の法定刑(改正後)は,5年以上の有期懲役(上限は20年)とされています。したがって,法改正前に「強制わいせつ罪」で処罰されていた事案のうち,一定の類型の事案については,法改正後により重い法定刑が適用されることになっています。
刑事裁判実務においても,このような法改正の影響を当然に受けることになります。近年,性犯罪全体について厳罰化の傾向がありますが,「強制性交罪」に含まれる事件については,より重い刑罰を科すことについて,法改正による正当化根拠も存在することになります。
弁護人にとしても,性犯罪事件を取り扱う場合には,こうした近時の法改正の趣旨を踏まえた弁護活動を行う必要があります。

法律事務所シリウス 中井淳一