刑事弁護ブログ

2018.01.10 刑事弁護コラム

第一審における証拠開示の重要性

刑事事件において,捜査機関の警察,検察は,様々な証拠を収集します。
任意で行う捜査だけではなく,捜索差押といった強制捜査も行われます。
弁護士独自で事件に関する証拠を集めることも重要ですが,捜査機関が収集した証拠について,十分に証拠開示を受けて検討することは必須といえます。

第一審においては,公判前整理手続という手続に付されれば,弁護側の権利として,検察官に対して証拠開示請求権が認められています。
公判前整理手続に付されなくても,弁護側が証拠開示を求めるのに対し,検察官も開示に柔軟に応じるのが多いといえます。

これに対して,第一審の判決が言い渡された後の控訴審では,こうした公判前整理手続はありません。
また,証拠の取調べ自体も,やむを得ない事由で第一審で証拠調べ請求ができなかった証拠でなければ,裁判所が証拠として取調べを行わないのが原則であるといえます。
ですから,第一審の段階で十分に証拠開示を受けて証拠収集をすることがとても重要です。

東京ディフェンダー法律事務所 弁護士 藤原大吾