刑事弁護ブログ

2026.07.13 刑事弁護コラム

保釈の判断に関する担当裁判官制度

 東京地裁では、一部の事件について、保釈請求に対する判断をする裁判官を担当制にする運用を開始しました。これまでは、全ての事件について、保釈請求をするごとに、その判断をする裁判官が代わっていました。そのため裁判官の側からみると、常にはじめて見る事件について判断をすることになり、さらに保釈等の身体拘束に関する判断は迅速に行うよう求められていることから、記録の検討や判断に多大な負担が生じていたところ、証拠の量が多い事件などについてはこの負担が軽減されるというメリットがあります。弁護人の側からみると、同じ裁判官が担当することにより、一度保釈請求が却下されたとしても、その後の事情変更等についてうまくアピールすることができれば、前回とは異なる判断を裁判官がしやすくなる、ということが言えるかもしれません。他方で、保釈の判断の傾向は裁判官による個人差が非常に大きく、保釈に対する判断が非常に厳しい裁判官(保釈を認めない傾向が強い裁判官)が担当となった場合、本来認められておかしくないはずの保釈がなかなか認められないという状況を招くおそれがあります。様々な見方があり得ることから、この運用を直ちに評価すべきではなく、今後の保釈判断の傾向や推移を注意深く検討する必要があります。

東京ディフェンダー法律事務所 赤木竜太郎