日本の刑事裁判は三審制なので、第1審、控訴審、上告審とそれぞれ手続が行われます。
高等裁判所で行われる控訴審の手続に不服があれば、上告申立をして、最高裁による審理を求めることができます。
しかしながら、令和6年の司法統計によれば、令和6年中に、終局処分となった全1608件の上告事件のうち、破棄された事件は1件もありませんでした。
もちろん、例年あっても数件なのですが(令和5年は1591件中3件)、0件というのは珍しい事態です。
全国で行われた刑事裁判が、8箇所の高等裁判所で審理され、それがひとつしかない最高裁判所で審理されることになります。最高裁には、3つの小法廷があり、それぞれに事件が配点されますが、単純計算で年間500件以上を審査しなければなりません(民事、家事、行政事件等もあります)。
裁判官1人1人が、個々の事件を詳細に検討することは到底期待できません。
刑事裁判における上告審は、統計上、あるいは運用上は絶望的と言ってよいでしょう。最高裁では、勾留されている場合の未決勾留日数の算入(服役期間から差し引くもの)も、4ヶ月を超える部分とされることが多いので、結果的には4ヶ月長く勾留されることになります。その点も十分に考慮して上告するかどうかを検討しなければなりません。
坂根真也 (東京ディフェンダー法律事務所)