刑事弁護ブログ

2026.01.19 刑事弁護コラム

付審判請求とは

日本で起訴することができるのは、検察官だけです。起訴とは、犯罪を犯したと疑われる人に対して、刑事裁判において有罪か無罪か、有罪であるとして刑罰をどうするかを決めることを求める手続きです。
犯罪の被害に遭った被害者も、警察官も起訴することはできません。
我が国では検察官だけが起訴する権限を持っているのです。
起訴独占主義と言われる検察官の起訴権限に対する例外が2つだけ存在します。
それが検察審査会による起訴と、付審判請求による起訴です。
前者は検察官が不起訴とした場合に被害者が検察審査会と言われる一般市民で構成される検察審査員が検察官の処分が妥当かどうかを判断し、起訴相当の決議が二回行われると強制的な起訴となる制度です。
そして付審判請求とは、一定の公務員犯罪について、検察官による不起訴処分の後、告訴した者が裁判所に起訴することを求める手続きです。
対象となる犯罪は限定されていて、公務員職権濫用罪(刑法193条)、特別公務員職権濫用罪(194条)、特別公務員暴行陵虐罪(刑法195条)などの公務員による犯罪のみです。
検察官は起訴するかどうかの権限を持っていますが、その判断のために主に犯罪捜査をするのは警察官です。警察官が職務上行きすぎた行為を行い、犯罪が疑われる場合があります(例えば、被疑者に暴行を加えるなど)。
このとき検察官は警察官による犯罪を捜査し起訴すべきですが、警察官は日頃から協力関係にあり、時に起訴を見送ってしまうことをがあり得ることから、付審判請求という制度が定められています。
しかしながら、この請求が裁判所によって認められ起訴されたケースは限りなく少ないのが現状です。

付審判請求が認められると、検察官役は弁護士が担当することになります。検察官は起訴しないという判断をしているので検察官役を執行することが期待できないため、裁判所が弁護士会の推薦を受けて、弁護士を検察官として指定することになります。

検察官の起訴独占は、統一的な運用という面ではメリットもありますが、検察官の独善を招く原因でもあり、検察審査会や付審判請求の意義は決して小さくはありません。

(参照条文)
第262条1項
刑法第193条から第196条まで【刑法第193条、第194条、第195条、第196条】又は破壊活動防止法(昭和27年法律第240号)第45条若しくは無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成11年法律第147号)第42条若しくは第43条の罪について告訴又は告発をした者は、検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは、その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所に事件を裁判所の審判に付することを請求することができる。

東京ディフェンダー法律事務所 坂根真也